小惑星Iris によるDM+8°0089星の食
1995年5月27日の早朝、小惑星Iris によるDM+8°0089星の食と思われる減光を光電測光でとらえることができました。
減光は04時17分過ぎにありました。この時刻、すでに薄明は始まっていて、空がどんどん白んでいく中での観測でした。
観測の後半にはデータのばらつきが500カウントぐらいになって、食があった場合の減光幅150カウント程度が検出できるかどうか心配でした。さらに空はどんどん明るくなり、フォトマルの方は大丈夫かなと思いながら観測しました。
観測中のモニタ画像では原稿に気づきませんでしたが、観測終了時に画面に表示されるライトカーブをみると、薄明による増光の中、横軸250秒〜300秒の間にわずかに減光が見られました。スライド1
2枚目のグラフは食の前後を含めた範囲の拡大で、11項の移動平均もプロットしています。スライド2
測光データから6.3秒間の食が起こっていることが分かりました。 この時間は小惑星の影の直径を表し、1カ所の観測であったため小惑星の最小直径が252kmであることが分かりました。
この観測成功は、国内で6例目のものでした。
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