小惑星Minerva によるPPM070495の食


1996年11月26日未明、小惑星Minervaが
ぎょしゃ座の8.8等星の手前通過して恒星を隠す
掩蔽現象が予報されていました。
この現象の掩蔽帯は鹿児島県南方のトカラ列島付近を
通ると予想されていましたが、推定されている
小惑星の直径が146kmと比較的大きく、岡山でも掩蔽が
見られる可能性があると考えて観測体制をとりました。

観測はフォトンカウンターで行い、掩蔽の前後10分間、
0.1秒ごとに恒星の明るさを記録しました。
観測時間の半ばにMinervaが恒星と重なり、
恒星が隠される現象をとらえることができました。スライド1

 食(掩蔽)の部分を拡大すると
食の始まりと終わりの部分に2段階の変化がありました。
岡山市でも大倉信雄さんが同時観測に成功していました。スライド1

 二人の観測結果から、2段階の変化は この星のすぐ近くに
暗い星があるために起きたことがわかりました。
2つの星の見かけ上の距離(角度)は0.0065秒角で、
あることが分かりました。
 今回の観測成功からは、小惑星の大きさに関する情報が得られただけでなく
隠された星が未知の超近接二重星であることも分かりました。スライド1

後日談ですが、二人の観測結果は測光装置のメーカーの広告に使われました。スライド1

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