食連星RZ Casの謎を解明


 カシオペヤ座RZ星(RZ Cas)は6.2等星から7.7等星の範囲で
明るさが変化する食連星(食変光星)です。
この星は暗くなった(食の)時にさまざまな形の光度変化をします。
なぜ、いろいろな形の変化をするのか?1970年よりも前から
謎の星と言われていました。

RZ Casは二つの星が互いに回り合っていて、食を起こすことにより
明るさが変化します。スライド1

主極小のときの食の底の形の変化です。スライド2
主極小の底の不規則な形について、観測の誤差と考えられたり
世界中の多くの天文学者が疑問に思っていました。
1997年、西はりま天文台の鳴沢真也さん提唱の
国際協同観測に参加しました。(国内7人 海外2人)

1997/11/18 快晴の条件下でRZ Casの主極小の観測に成功しました。
岡山市の大倉信雄さんも同時観測に成功していました。
二人の観測をプロットしてみるときれいに重なりました。スライド3

このことから特に食の後半の微妙な変化(うねり)は誤差ではなく、
リアルな変化であることが分かりました。
大島 修さん、鳴沢真也さんらの解析で、RZ Casは約21分周期の
「たて座デルタ星(δ Sct)型振動」をしている奇妙な星であることが分かりました。
結果は大島さん、鳴沢さんによって日本天文学会とアメリカの科学雑誌に論文投稿されました。

私たちの観測がRZ Cas30年間の謎の解明につながった記念すべき1枚のグラフです。スライド3
  その後天文学の分野に「δ Sct型振動星をもったアルゴル型食連星(oEA) 」のセクションがつくられたそうです。

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