新変光星AkaV001の発見・登録


2011年12月 XZ CMiの観測中にチェック星(GSC 0185-1509)の変光の疑いがでてきました。
測光観測ではV=目的星、C1=比較星、C2=チェック星の3つの星を測定します。 測定テータからV-C1(C1と比較したVの明るさ)と、C2-C1(C1と比較したC2の明るさ)を計算します。
位相0.0-0.2で、C2-C1に大きな変動がありました。このときV-C1には変化はありませんでした。

このことからC2単独の変光であることが分かりました。そこでこれまで観測したすべて画像についてC2の明るさの変化を測定しました。スライド1

その後の追跡観測で、周期6.4日のアルゴル型の食連星であることが分かり、そのことを2013年の連星系東京研究会で発表しました。
それから4年後の2017年2月23日 スイス在住の笠井潔さんから突然のメールをいただきました。
「2013年の連星系東京研究会の集録を読みました。発見された新変光星をVSXに登録されませんか。 10等台の新食連星の発見はそれなりに貴重です。登録が煩わしいようであれば、お手伝いをさせていただきます。」
笠井さんはスイス在住のフルート奏者で、バーゼルオーケストラとバーゼル音大で演奏と教育活動を行っていました。 定年退職後、趣味の変光星観測に打ち込んでいる方です。(Facebookによる)
28cm SC + SBIG ST-7で高精度な測光観測を行い、新変光星の発見や要素が未確定の変光星の確定作業を行っています。

約5年間の観測データをもとに、笠井さんからのアドバイスでVSX登録の手順にそって登録作業を進めました。 スライド2

  周期 約6.42日 Rc等級で10.25-10.42mag. 副極小は位相0.425で10.32mag.の新変光星AkaV001として 無事受理されて7/17に登録完了のメールが届きました。
笠井さんのおかげで新発見の変光星を登録することができました。
それよりもうれしかったは、スイスに天文の友人ができたことです。スライド3

戻る